――これは、夢だろうか。

風麗はぼんやりと意識が薄れるのを感じた。

体が重く、動かない。

ただ、聴覚だけはせめて働かせる。

会話がなんとなく聞こえる。

『……わしはな、病を患っとる。』

そう聞こえたとき、驚いたというよりも全て納得した。

焦っていた理由も、あの時飲んでた薬も、血色が悪い顔も。

そうか……

その思考を最後に意識を手放した。