――風麗は与兵衛太の屋敷に居た。
先に行くように言われたらしい。
(何の為の傭兵と思っているのか。)
「おう!」
思考を遮るように屋根から声がした。
与兵衛太という男はこの者だろう。
立膝で酒を飲んでいる。
“だらしない”と風麗は思った。