散華の麗人

しかし、千代は一正の居る部屋の方には歩かなかった。
「あの、部屋はそちらでは」
「灯り、要るでしょう?あと、白湯も。」
全てお見通しの様子で千代が言う。
「何故、お分かりなのですか?」
「ふふふっ」
袖で口元を隠して微笑む。
「わらわは陛下の妻ですよ?」
「……恐れ入りました。」
風麗もつられて笑んだ。