散華の麗人

風麗は息を吐き、無表情で通り過ぎた。
「ご安心を。陛下には報告しませんよ。」
そう言うと、後ろで安堵する声が聞こえた。
それを無視して、再び、うろうろし始めた。
(止まっているのは落ち着かない。)
風麗は自分でも馬鹿らしいと思いながらも足を進めた。