散華の麗人

それは、風麗も思うことだ。
確かに、民には信頼が篤く、一般的に言う“いい国王”だ。
だが、兵士にとっては、こき使われるし、民にしか目を向けていないし、祭り開くし、“わがままな能天気国王”というのが殆どの者が抱く印象だろう。
「声が大きすぎではありませんか」
そう言って愛想笑いで男達の前を通る。
「あ。」
困った表情で顔を見合わせ、慌てる2人。