そして、茶室に入ると、本を見た。 「……ふむ。」 本を捲り、ちらと辺りを見た。 「狐子。」 名を呼ぶと音もなく狐の面を被ったひとが現れた。 「はい。」 固い声音が響く。 「茶を。」 「御意。」 陸羽に狐子は茶を点てた。