“皆が笑える国”
政権が変わり、時が過ぎ、現国王はそう望んでいる。

そんな理想郷があるならば、こんな横暴な国王は居ないのだろう。
こんな、愛しい人さえ、傍で守れないような人生を歩まなくて良かった。

「……ひとのせいにしているだけ、だな。」
自嘲して、雅之は姿を消した。