その表情は何か事情があるようにも見えた。
(他国の者に絆されることを疎む国王だから、か。)
陸羽も一正も清零国王の性格からそう解釈した。
「そうか。」
リアンの答えを聞くと、一正は笑った。
「なら、ええや。せっかくの気分を害して悪かったな!」
「うむ。戦の前ということもあって、少々、疑心暗鬼になっておったやも知れぬな。」
(本心は知れぬが。)
一正に続けて陸羽が言った。
リアンは“いえ、別に”というように薄く笑った。
「リアン殿。」
隅の方に待機していた与吉郎は声をかける。
「もう、夜も遅うござります。泊まって行かれますか?」
「せやな。そうした方がええ。」
与吉郎に一正が言うと、リアンを見た。
「与吉郎はリアンを案内せい。」
「はい。」
一正に与吉郎は頭を下げると、リアンを部屋に案内した。
「風麗。」
そして、風麗の方を見た。
「はっ。」
与吉郎と同じく、待機していた風麗は一正に跪く。
「ジジィを案内せい。」
「え?……しかし、陛下」
「いいから。な!」
(“な!”じゃない!!)
内心、風麗は呆れた。
「行くぞ。」
そう言いながら、陸羽は立ち上がる。
「はい。」
風麗は仕方なく、陸羽に付いて行った。
(他国の者に絆されることを疎む国王だから、か。)
陸羽も一正も清零国王の性格からそう解釈した。
「そうか。」
リアンの答えを聞くと、一正は笑った。
「なら、ええや。せっかくの気分を害して悪かったな!」
「うむ。戦の前ということもあって、少々、疑心暗鬼になっておったやも知れぬな。」
(本心は知れぬが。)
一正に続けて陸羽が言った。
リアンは“いえ、別に”というように薄く笑った。
「リアン殿。」
隅の方に待機していた与吉郎は声をかける。
「もう、夜も遅うござります。泊まって行かれますか?」
「せやな。そうした方がええ。」
与吉郎に一正が言うと、リアンを見た。
「与吉郎はリアンを案内せい。」
「はい。」
一正に与吉郎は頭を下げると、リアンを部屋に案内した。
「風麗。」
そして、風麗の方を見た。
「はっ。」
与吉郎と同じく、待機していた風麗は一正に跪く。
「ジジィを案内せい。」
「え?……しかし、陛下」
「いいから。な!」
(“な!”じゃない!!)
内心、風麗は呆れた。
「行くぞ。」
そう言いながら、陸羽は立ち上がる。
「はい。」
風麗は仕方なく、陸羽に付いて行った。

