「いいか、ここで待ってろ。俺は行かなくてはならん。いいか、絶対にここを動くな。結界を張っておく。結界を出れば、あの白い亡霊に喰われるかもしれん……」
そう言って、男はヨミの周りに何か呪文を唱えながら刻印を刻んでいった。
「よし、これでいい。いいか、絶対だぞ」
男はそう言い残すと、すっと消えた。ヨミは、動くなと言われる以前に動けなかった。そして、何も考えられなかった。
〝俺は……何をしているんだろう……なぁ、ハルミナ……〟
魔造生物、神造生物、そして何かの声が取り巻く森の中に、ヨミは一人、取り残されていた。それこそ、世界に見捨てられたようだった。愛する人にも会えず、その面影を宿した悍しいものを生み出してしまった――。
〝ハルミナ……どうして……俺を置いて逝ってしまったんだ……ハルミナ……。俺は……君の面影を宿した偽物を作り出してしまった……ハルミナ……っ、どうやって、どうやって俺は、償えばいいんだ?どうやって……生きていけばいいんだ?〟
ざわり
「?」
ヨミは、涙を流し続ける瞳を大きく広げて見上げた。空気が変わった。
「おっと、お前か」
「……?」
そこに、長い銀の髪に、紫のメッシュが入った男がいた。男がいるだけで、どんな魔造生物も神造生物もそっと気配を消して静まり返った。
「ふふん、確かにおかしな器を持ってるな。よし、来い」
「貴方は……」
男は不敵な笑みを浮かべた。
「お前は知らないと思う。まだなりたてほやほやの新米亡霊君だ。だがな、俺の名前は知っていなくてはならない、お前が亡霊になったからには」
男はにこりと笑うと、
「私はクロリス=ウィンレオ=エンドストロール、この幻界を統べる王の名だ」
「王……っ?」
ヨミはぽかんと、目の前の王を名乗る男を見た。真っ白な外套ですっぽり身を包んでいる。そこからすっと、右手を差し出した。
そう言って、男はヨミの周りに何か呪文を唱えながら刻印を刻んでいった。
「よし、これでいい。いいか、絶対だぞ」
男はそう言い残すと、すっと消えた。ヨミは、動くなと言われる以前に動けなかった。そして、何も考えられなかった。
〝俺は……何をしているんだろう……なぁ、ハルミナ……〟
魔造生物、神造生物、そして何かの声が取り巻く森の中に、ヨミは一人、取り残されていた。それこそ、世界に見捨てられたようだった。愛する人にも会えず、その面影を宿した悍しいものを生み出してしまった――。
〝ハルミナ……どうして……俺を置いて逝ってしまったんだ……ハルミナ……。俺は……君の面影を宿した偽物を作り出してしまった……ハルミナ……っ、どうやって、どうやって俺は、償えばいいんだ?どうやって……生きていけばいいんだ?〟
ざわり
「?」
ヨミは、涙を流し続ける瞳を大きく広げて見上げた。空気が変わった。
「おっと、お前か」
「……?」
そこに、長い銀の髪に、紫のメッシュが入った男がいた。男がいるだけで、どんな魔造生物も神造生物もそっと気配を消して静まり返った。
「ふふん、確かにおかしな器を持ってるな。よし、来い」
「貴方は……」
男は不敵な笑みを浮かべた。
「お前は知らないと思う。まだなりたてほやほやの新米亡霊君だ。だがな、俺の名前は知っていなくてはならない、お前が亡霊になったからには」
男はにこりと笑うと、
「私はクロリス=ウィンレオ=エンドストロール、この幻界を統べる王の名だ」
「王……っ?」
ヨミはぽかんと、目の前の王を名乗る男を見た。真っ白な外套ですっぽり身を包んでいる。そこからすっと、右手を差し出した。

