「……」
ウェインは、このとき初めて、まじまじと白い亡霊を見た。
哀しみを秘めているとも言える青く何処までも透き通った瞳。真っ白な長い髪はやはり風にたなびいていて――肌も髪に巻けず劣らず白く透き通っており、その唇は薄い桃色、その鼻はすっと筋が通っていて、白い服とも言えぬ布を無造作に身体に纏っていた。
じっと、ヨミを見つめていた。ヨミも、その視線を真直ぐ返していた。ふとウェインが後ろを見ると、エキストの同じテーブルにいた面々が静かにそこに立っていた。ウェインはすぐさま視線を元に戻した。
「……ツキミ……」
「私、貴方だけに夢を叶えてもらいたくないの。意味、わかる?」
ヨミの顔が、痛みに歪んでいた。心の、痛みに――。
「私、もう二度と好きなことをできないわ。何もできない。貴方はそうやって私を忘れていくの」
「俺は貴女を忘れたりしないっ」
ヨミの悲痛な声が漏れた。泣きそうなその顔――ツキミと呼んだ白い亡霊の向こうに、何かを見ているような――。
「とにかく、私はあの少年を消す。貴方の夢が叶えられぬように。文句はないわよね、私の願いだもの」
つかつかと、ツキミはウェインの方へと歩いてくる。ヨミの、すぐ横を通ろうとして、
「駄目だ」
ヨミは、ツキミの白くて細い腕を掴んだ。
「放しなさい」
「お前は、彼女じゃない。彼女の姿で、俺の夢を握りつぶさせたりはしない」
意志のこもったヨミの言葉――ツキミは顔に無感情をたたえ、静かな瞳でヨミを見ていた。
ウェインは、このとき初めて、まじまじと白い亡霊を見た。
哀しみを秘めているとも言える青く何処までも透き通った瞳。真っ白な長い髪はやはり風にたなびいていて――肌も髪に巻けず劣らず白く透き通っており、その唇は薄い桃色、その鼻はすっと筋が通っていて、白い服とも言えぬ布を無造作に身体に纏っていた。
じっと、ヨミを見つめていた。ヨミも、その視線を真直ぐ返していた。ふとウェインが後ろを見ると、エキストの同じテーブルにいた面々が静かにそこに立っていた。ウェインはすぐさま視線を元に戻した。
「……ツキミ……」
「私、貴方だけに夢を叶えてもらいたくないの。意味、わかる?」
ヨミの顔が、痛みに歪んでいた。心の、痛みに――。
「私、もう二度と好きなことをできないわ。何もできない。貴方はそうやって私を忘れていくの」
「俺は貴女を忘れたりしないっ」
ヨミの悲痛な声が漏れた。泣きそうなその顔――ツキミと呼んだ白い亡霊の向こうに、何かを見ているような――。
「とにかく、私はあの少年を消す。貴方の夢が叶えられぬように。文句はないわよね、私の願いだもの」
つかつかと、ツキミはウェインの方へと歩いてくる。ヨミの、すぐ横を通ろうとして、
「駄目だ」
ヨミは、ツキミの白くて細い腕を掴んだ。
「放しなさい」
「お前は、彼女じゃない。彼女の姿で、俺の夢を握りつぶさせたりはしない」
意志のこもったヨミの言葉――ツキミは顔に無感情をたたえ、静かな瞳でヨミを見ていた。

