「そっか、お前も大変なんだな。綺麗な顔……おっと、禁句だったな」

 ダグがくくっと笑う。ウェインは不思議そうな顔で、

「別に、働いていたからといって大変だったわけじゃない。他に暇つぶしの方法がなかっただけだ」
「お前くらいの年頃は、遊びたい盛りだろうよ?それを働いていた、なんてだな」
「人それぞれだ」

 ウェインの言葉に、ダグは眼を見張り、

「お前、やけに大人びているな……俺がお前くらいのときは、もっとガキだったなぁ」

 そう言い、自分の思い出に浸る。その時、奥の通信機が鳴った。

「おっと」

 ダグがそれに出る。そして何やら話を聞いて――。

「何っ?」

 声を上げ、

「本当か?」

 しばらく通信の相手と会話を交わし、切った。そしてウェインの元に戻ってきた。

「おい、お前はウェビトスに渡るんだ、伝えておく」
「なんだ?」

 ウェインがダグを見て、

「レグオンとアイゾグレンドの両政府が、正式に終戦を表明した。そして、両国は崩壊したらしい!」
「何?」

 ダグの言葉に、ウェインは身を乗り出した。