「むぅ」
ファムがウェインに顔を寄せる。ウェインはファムの頭をなでる。
「俺の友達、こいつ一人なんだよ」
「それは、他の奴らがお前と付き合わなかったということか?」
ウェインは、頷いた。
「他の奴にとって、俺はユアファ=ストロールの息子でしかないんだよ」
ヨミが、ウェインを見る。
「お前、十七だよな?」
「ああ。どう、思う? 子供でもあるまい、十七にもなった男がさ、魔造生物だけが友達だなんて言うんだ。幼いだろ? ……このファムだって、あの人が造ってくれた……。俺に、友達がいなかったから……できなかったから」
ヨミが、ウェインの頭をなでようとした。ウェインは抵抗しなかった。
ただ、うつむいていた。そのまま、ヨミの実体の無い手がウェインに触れる。
「いいか、ウェイン。俺はな、お前の近くにいたいんだ。それはもちろん、お前を導きたいからだ。だが、一緒にいるということは、俺が少なくともお前の、友でありたいということなんだ。わかれ」
ウェインが、ヨミを見た。その眼は鋭く――、
「お前も結局、王の器を持ってる者としてしか、俺を見てないんだろ?」
「当たり前だ」
ヨミが即答し、そのあっけらかんとした言葉にウェインは気を殺がれた。
「俺はな、王の器を持っているからお前と出会った。王の器を持っていなかったら、知り合おうとも思わなかった。だがな、きっかけがなんだ?俺はひっくるめてお前と友として向かい合いたい。導く者として導きたい。そうなったからには、俺はウェイン=ストロールという人物を、真直ぐ見据えたい――それじゃあ、駄目なのか?」
「……」
ヨミは真っ直ぐに、ウェイン=ストロールをその瞳に映していた。
〝何を、言ってるんだろう。他の奴と、何が違うんだ……? だけど……真直ぐそう言われたのは……〟
ぽろりと、ウェインの眼から零れ落ちる涙。ウェインはさっとそれをぬぐった。
ファムがウェインに顔を寄せる。ウェインはファムの頭をなでる。
「俺の友達、こいつ一人なんだよ」
「それは、他の奴らがお前と付き合わなかったということか?」
ウェインは、頷いた。
「他の奴にとって、俺はユアファ=ストロールの息子でしかないんだよ」
ヨミが、ウェインを見る。
「お前、十七だよな?」
「ああ。どう、思う? 子供でもあるまい、十七にもなった男がさ、魔造生物だけが友達だなんて言うんだ。幼いだろ? ……このファムだって、あの人が造ってくれた……。俺に、友達がいなかったから……できなかったから」
ヨミが、ウェインの頭をなでようとした。ウェインは抵抗しなかった。
ただ、うつむいていた。そのまま、ヨミの実体の無い手がウェインに触れる。
「いいか、ウェイン。俺はな、お前の近くにいたいんだ。それはもちろん、お前を導きたいからだ。だが、一緒にいるということは、俺が少なくともお前の、友でありたいということなんだ。わかれ」
ウェインが、ヨミを見た。その眼は鋭く――、
「お前も結局、王の器を持ってる者としてしか、俺を見てないんだろ?」
「当たり前だ」
ヨミが即答し、そのあっけらかんとした言葉にウェインは気を殺がれた。
「俺はな、王の器を持っているからお前と出会った。王の器を持っていなかったら、知り合おうとも思わなかった。だがな、きっかけがなんだ?俺はひっくるめてお前と友として向かい合いたい。導く者として導きたい。そうなったからには、俺はウェイン=ストロールという人物を、真直ぐ見据えたい――それじゃあ、駄目なのか?」
「……」
ヨミは真っ直ぐに、ウェイン=ストロールをその瞳に映していた。
〝何を、言ってるんだろう。他の奴と、何が違うんだ……? だけど……真直ぐそう言われたのは……〟
ぽろりと、ウェインの眼から零れ落ちる涙。ウェインはさっとそれをぬぐった。

