幻影都市の亡霊

 ウェインがコロテスに言うと、コロテスは明らかにむっとして、

「コロテスでいい。君の妹でもあるんだが……。なんだか腹が立つぞ」
「なんでっ?」

 ウェインはむっとしているコロテスを不思議そうに見ている。

「あー、ウェイン。こいつは特大級のシスコンだ。下手にラムに近づくと怪我するぞ」

 ヨミがからかうように言った。そこにヴィアラが割り込んで、

「まぁ、シスコンの仮王? 危ないわねー、妹のために力を使っちゃうんじゃなくって?」
「ヴィアラ!」

 コロテスが真っ赤になってヴィアラに掴み寄った。

「どうして君はそんな余計なことをっ……!」
「あら、でも本当のことじゃなぁい」

 ヴィアラはくすくす笑っている。ウェインはそっとヨミの耳もとで、

「知り合い?」
「さぁ?」
「幼なじみ」

 ぽつりと言ったシクラを、ウェインとヨミはきょとんと見下ろした。

「コロテスとヴィー、昔から仲良い。お頭、よくヴィーを、ここに連れてきた」
「へぇ~……」

 なかなかにお似合いな二人だった。
 そんなふうに騒ぎながら、その日は過ぎた。





 幻界が膨張し、弾けそうになった日――、幻界は収束し安定した。

 新たな王は己の器に幻界を収め、旅に出ることを決意した。古き王は愛する者と暮らし、それを支え支えられる安息の日々を得た。

 彼らは新たな生活を得た。