幻影都市の亡霊

「ぐぇ」

 その首を笑いながらしめ、

「これを騒がないでどうするーっ!」
「苦しっ……」
「よ、ヨミ殿、ウェイン様が死にます……」
「アクエム、アルモ達とラム達をここに呼ぶんだ! どんちゃん騒ぎするぞーっ!」
「はい」

 アクエムはファムをウェインに返し、王座の間から出て行った。

「ここでやるのか、どんちゃん騒ぎ」

 ウィンレオが呆れたように言う。

「当たり前じゃないか。ここでやらないでどうする。さーて準備だ!」

 ヨミが両手を上に掲げると、大きな机がぽんと現れ、その上に布が敷かれ、料理や酒が次々並んでいく。

「まぁ、凄い。行きましょう、コロテスお兄様、エンテルお兄様、ウェインお兄様も」

 ラムが入ってきて、三人の背をどんどん押して料理の前へと押しやった。そして、

「お父様も、ユアファ様も」

 二人を引き寄せた。そして、ラムはユアファを見上げ、

「ユアファ様、お母様って、呼んでもよろしいですか?」

 ユアファは驚いたようにラムを見て、

「……あたし、貴女みたいな娘が欲しかったのーっ!」

 ラムに抱きついた。この人はどこでも上手くやっていきそうだった。

「これが終わったら、一度帰るわね、ウィンレオ」
「ああ」

 ウィンレオがやはり淋しそうに頷く。するとラムが顔を輝かせ、

「わたくしも行きますわ、お母様っ! エンテルお兄様も行きましょう! 現界って凄いんですのよ? 見たこともないようなものがたくさんあるんですの!」

 ラムは健気に、母と兄を一度に失ったエンテルを励まそうとしていた。一生懸命明るく努めていた。それが、

「可愛いな、君の妹は」