幻影都市の亡霊

「俺は王になるしか選択肢はないのか?」

 皆の一瞬の沈黙の後、ウィンレオとヨミは穏やかに笑いながら、首を横に振った。

「強要はしない。今までにも、世界で一番大きな器を持つ者が人間だったことはたくさんあるんだ。だが、人間が肉体を捨てて、亡霊になること、亡霊王になることはやっぱり大きな決断だ。そういった場合は、幻界で一番大きな器を持つ者が亡霊王になる。この場合はコロテスだ」

 ヨミが言った。ウェインはそっとコロテスを見た。コロテスは首を縦に振った。

「……亡霊の器は血縁で受け継がないって……」
「それは亡霊同士の結婚だった場合なんだ」
「?」

 ウェインは意味がわからずヨミを見た。

「あんまり説明してなかったなぁ。大きな意味では俺もウィンレオも人間なんだよ。血肉を供えたものがたとえ肉体を捨てても本質的に人間であることは変わらない。だから、ウィンレオの子供達は皆でっかい器を受け継いでるんだ。ましてウェインは人間同士の子供だからな」
「わかったような、わからんような……」

 ウェインは肯いた。そして、ウィンレオを見た。

「なんで、肉体を捨てて王になったんですか?」

 ウィンレオは笑った。