幻影都市の亡霊

「どういうことだ、セレコス」

 明らかに、怒りの色を込めてウィンレオが言った。セレコスはくすくす笑い、

「俺はな、お前という人物を良く知ってる」

 ウィンレオは首をかしげた。

「白い亡霊が俺達を訪ねてきたのは、俺達が両方の世界に繋がっていて、移送するのに便利な力を持っていたからだろう。俺達はな、事情が事情じゃなきゃこんなことしなかっただろうよ。だが、ユアファの町だって、聞いてしまえば……そりゃあ、やんなきゃなんねぇと思ったのさ」
「だからどうして!」

 ウィンレオが声を荒げた。セレコスはそんな友人を睨みつけ、

「お前が臆病者だって知ってたからだ!」
「っ」
「こんなことがなけりゃ、お前が次にユアファに会えるのがいつかなんてわからなかったんだ。第一、別れることが怖いから会わないとは何事だ。こんなに愛し合ってるんだったら、会えばいい。そう思って手伝った。王の器を持つ者がいないのを確認して、お前とユアファを会わせるためだけに。だが、今町を戻すって言うんならちゃんと手伝うさ。ただし、今はユアファを置いていけ。もうすぐに別れるなんて……」

 セレコスの言葉を遮ったのは、ウィンレオだった。

「ユアファにはここに残ってもらうさ。もう、離れ離れなんかこりごりなんだ」

 ユアファの手を握り、笑いあった。ふぅ、とセレコスはため息をつき、

「シクラ、ヴィー、手を貸すぞ」
「わかってるわ」
「わかった」

 そこに、王宮の魔法隊五十名ほどが徒歩で到着した。

「うむ、それじゃあ町を、陣を組んで取り囲め!セレコス、お前達も頼む。俺もここでやるよ。ヨミ、お前も隣へ行け」
「わかった」
「お前達、町の外へ出ろ」

 コロテスは手伝うと言い、ウェイン、ユアファ、ラムは町の外へと出た。十分程かけ、皆がきちんと取り囲んだことを調整しながら確認し、ウィンレオが合図を出した。