幻影都市の亡霊

「貴方の話はたくさん聞きました」

 ウィンレオはふふと笑い、

「俺の失態も筒抜け、か」

 ぽんと、頭に手を置いた。すると控えていた角みたいに髪の毛を巻いた少女が待ちきれない、という風に顔を出して、

「お父様、わたくし達も紹介してくださいっ」

 ウィンレオは苦笑して、少女と青年を自分の前に並べた。

「こっちはお前の一歳上の兄になるコロテス、そしてこっちは三歳下の妹になるラムだ」
「宜しくお願します、ウェイン様」

 ラムがにっこり笑いかける。あまりの愛らしさにウェインはどぎまぎした。それにコロテスがちょっとむっとして、

「宜しく」

 明らかに敵意を感じて、ウェインは怯んだ。コロテスのシスコンぶりを知っている周囲の者は苦笑する。そしてウィンレオが、

「セレコス、久しいな」
「お、ゼロアス。またそのツーショットが見られて嬉しいよ、ユアファ」
「セレコス」

 ユアファが笑顔で握手をする。エキストの頭領を見知っている二人は警戒した。そんな我が子の様子に、

「……どうした?」
「あっ……いえ……」

 コロテスは首を振るが、セレコスは笑って、

「大方、俺達がこの町を幻界に送ったんだって、誰かから聞いたんだろうな」
「っっ」

 事情を知らなかった四人が絶句した。コロテスとラムはただうつむくばかりだ。