幻影都市の亡霊

「確かに、何か諦めたような感じを受けましたが……別れたときはそうでもありませんでしたよ。ヨミ様と過ごして、ちょっと変わったみたいですね。何より、ヨミ様から、ヨミ様、オーキッド様、そして陛下とユアファ様の過去を聞いて考える所があったのかもしれません」
「あいつが話したのか? 全て?」

 ウィンレオは意外そうで、アクエムは頷き、

「ええ、ツキミが襲ってきて……それで、ヨミ様がちょっとお挫けになって」
「お挫けって……」

 ユアファが笑う。しかし、ウィンレオはまた目を丸くして、

「ツキミが? ツキミが襲ってきたのか? やってきたのか?」
「はい。そこで、はっきり見ましたよ。ウェイン様がヨミ様を叱責なさった。かなりの光でした。それでセレコス様がお話しろ、と」

 ウィンレオは目をぱちくりさせて、

「俺の息子は、ヨミを叱ったのか……?」
「はい。ツキミの言葉に動揺したヨミ様に、俺を導くと言っただろうが! 俺を守れなくてどうする! と」

 それには母親であるユアファも驚いて、

「あの子がそんなこと言ったの? あら、まぁ……。それはあたしもビックリ。しばらく会わないうちに、あたしも知らないあの子になっちゃったのね」

 そこで、コロテスとラムは遠慮がちに、目配せをし、コロテスが、

「あの、ツキミとは誰です?」
「お? 教えていなかったか?」

 ウィンレオがあっけらかんと言ったものだから、脱力した二人だった。アクエムが苦笑して、

「ヨミ様が人間から亡霊になられたときに、生まれてしまった白い亡霊です」
「「っ!」」

 二人は息を飲んだ。二人は見ていた。胎違いの長兄が話していた、ヨミの気配を持つ白い亡霊――。