「……」
「ウェイン、先に行け。俺は最後に行く」
それでも、ウェインはちょっと迷ったようだった。そこに、シクラがウェインの腕を取って、そっと虚ろな目でウェインを見て、
「大丈夫、お頭、待ってる」
そう言って、ウェインの手を引っ張りながら、道へ飛び込んだ。むろん、ウェインも共に。ぐゆんっと、一瞬の浮遊感の後、異郷の海岸に立っていた。手を繋いだ先にはもちろんシクラがいて、セレコスが立っていた。
「お、シクラが先導したのか?」
「怖がってた」
「そりゃあ、初めてじゃあな。あの海は虚海だ。間違って落ちたら一溜まりもないしな」
ウェインは目を丸くして、
〝そ、そういうことは先に言ってもらいたかった……っ〟
だがそれを聞いた後で、平気で飛べたか、と聞かれたら、うんと答えられる自信はなかった。
しかし奇妙な感覚だった。目で見えるのに、それが本当にそこにあるのかわからないような、足元はきちんと地面を踏んでいるのに、踏んでいないような――。
風が吹いている。
丸い風がウェインの頬をくすぐって去っていく。そこにヴィアラが来て、アルモが来た。そのときだった。
ぎいいいぃゆあぁぁぃっ
形容しがたい『音』が聞こえた。ウェインがはっと振り返る。シクラが驚いて腕を引いた。ヴィアラが両手を伸ばして、雷が走ったのが見えた。そこにヨミが現れて、
「亡霊魔っ」
ヨミの眼の色が変わり、襲いくる黒いものに電光を発す。そこで初めて、ウェインは自分を、その黒いものが襲ってきたのだと認識した。黒いものはじゅびっと弾けた電光を驚異的な跳躍で避けた。そのまま、ウェインの方へ飛び掛ろうとしている。
「ウェイン、先に行け。俺は最後に行く」
それでも、ウェインはちょっと迷ったようだった。そこに、シクラがウェインの腕を取って、そっと虚ろな目でウェインを見て、
「大丈夫、お頭、待ってる」
そう言って、ウェインの手を引っ張りながら、道へ飛び込んだ。むろん、ウェインも共に。ぐゆんっと、一瞬の浮遊感の後、異郷の海岸に立っていた。手を繋いだ先にはもちろんシクラがいて、セレコスが立っていた。
「お、シクラが先導したのか?」
「怖がってた」
「そりゃあ、初めてじゃあな。あの海は虚海だ。間違って落ちたら一溜まりもないしな」
ウェインは目を丸くして、
〝そ、そういうことは先に言ってもらいたかった……っ〟
だがそれを聞いた後で、平気で飛べたか、と聞かれたら、うんと答えられる自信はなかった。
しかし奇妙な感覚だった。目で見えるのに、それが本当にそこにあるのかわからないような、足元はきちんと地面を踏んでいるのに、踏んでいないような――。
風が吹いている。
丸い風がウェインの頬をくすぐって去っていく。そこにヴィアラが来て、アルモが来た。そのときだった。
ぎいいいぃゆあぁぁぃっ
形容しがたい『音』が聞こえた。ウェインがはっと振り返る。シクラが驚いて腕を引いた。ヴィアラが両手を伸ばして、雷が走ったのが見えた。そこにヨミが現れて、
「亡霊魔っ」
ヨミの眼の色が変わり、襲いくる黒いものに電光を発す。そこで初めて、ウェインは自分を、その黒いものが襲ってきたのだと認識した。黒いものはじゅびっと弾けた電光を驚異的な跳躍で避けた。そのまま、ウェインの方へ飛び掛ろうとしている。

