幻影都市の亡霊


 五人は、幻界へと入ろうとしていた。

 海に面した場所で立っている。フォゲティアの大陸から本土へ向かおうと思うと二つのルートがある。もう一つの大陸はCを描くように曲がっていて、そのCの切れている場所にレーテス・フォゲットがあり、王都ヨーテルロアーフ側に降りるのと、ジッコフという町がある側に降りるのとがある。

 そして三人はヨーテルロアーフ側へ入ろうとしていた、そこへ、アルモが現れた。興奮し、上気した顔で、

「アンバルリードですっ!」
「「何?」」

 セレコスとヨミが声をそろえた。アルモはばっと右手を振って、セレコスとヨミが道を繋ごうとしていたのを一人でやってしまった。二人は目を見合わせ、ウェインとシクラとヴィアラは、ぼっとそれを見ていた。

「早く、陛下はアンバルリードの東方へお向かいです。そこで落ち合おうと!」

 セレコスは驚いたようにアルモを見た。

「まさか、ウェインの町の場所か?」
「はいっ。陛下は先に、ユアファ様を迎えに行く、と」

 それに、ヨミも驚いたようだった。ウェインもわけがわかっていない様子で、

「会うのが、会って別れるときが来るのが……怖いんじゃあ……」

 セレコスが笑って、ヨミが安堵したように、

「俺達は、ウィンレオのことを見くびっていたみたいだ……」
「本当に、意外だった。あいつはやっぱり王だったな」

 そう言うと、セレコスはアルモが作った道に飛び込んでしまった。

 ウェイン達の目からは海へ飛び込んだように見えた。そう、真っ黒で何があるのだかわからないような、漆黒のうねりの向こうに。

 一瞬で姿が掻き消える。