幻影都市の亡霊

 ラムは複雑な思いで父を見た。自分は、何度もそうやって父親を傷つけてきたのだろうか。計り知れない悲しみが、ラムを包み込もうとした。だが、ウィンレオは笑って、

「でも、良かった」
「え?」

 ラムは父親を見た。泣き笑いの笑顔で、ウィンレオはラムを見ながら、

「すぐ近くに支えてくれる者がいたのか。そうか……。お前達、子供というのはな、随分、親を支えてくれる者なのだ」

 ラムは父親に抱きついた。安心した。自分は存在していて良かったのだと。本当に、安心した。だが、問題は何も片付いていない。

「これから、ヨミ様が必ずウェイン様をここに連れて来ます」
「……こちらからも、会いに行こうじゃないか」
「えっ?」

 ウィンレオは、ラムをおろした後、悠然と立ち上がると、

「皆で行くぞ、ユアファの元に。お前達に、紹介したい人だ。そして、まだ見ぬ我が子にも、そこで落ち合おうじゃないか!」

〝何を、怖がっていたのだろう。会いたいのだ、俺は。彼女に。そして近くで支えたいのだから。そして、いいんじゃないんだろうか、このまま一緒にいても――〟

 ウィンレオはアルモに、

「戻ってそのことを伝えろ。町はアンバルリードの東だ」

 三人がそっとウィンレオを窺った。

「俺は、真っ先に、ユアファに会いに行かなくてはならない。そうなんだろ?」

 ウィンレオは晴れ晴れとした表情だった。ラムもコロテスも肯いた。すぐにアルモはすぐにその場から消えていた。