幻影都市の亡霊

「違います、陛下。貴方のお子です」

 やっぱり、とコロテスとラムが思った頃、ウィンレオは驚愕に身を強張らせていた。

「俺の……?」

 思わずに自称が元に戻っている。アルモは力強く頷き、

「はい。ウェイン=ストロール、齢は十八。確かに貴方のお子です。ユアファ様は独り身です。そして――ウェイン様は貴方とそっくりでした。特に、右目が紫色であったところなどは」

 ウィンレオは身を強張らせたまま、震えていた。

「その子の容姿は……?」
「銀の髪に、右紫左青の瞳を持った子でした。女の子と見紛うばかりの美丈夫であるのも貴方とそっくりでした。そして何より、器の大きさが只者ではありませんでした。ただ」

 アルモは口をつぐんだ。しかしウィンレオは話を続けさせた。

「まだ、輝いていませんでした。今はまだ、暗い闇に光が隠れていました。だけど、ヨミ様の導きで、大きく輝くことは間違いないことでしょう」
「そうか……」

 ウィンレオは、哀しそうに呟いた。ラムが心配そうにそれを見ている。

「俺と、そっくり……それは、なんて……」

 ウィンレオが絶望にも似た不安と恐怖の霧に包まれているのが、はっきりとわかった。

「……陛下?」
「なんということだ……」

 ウィンレオは項垂れた。

「彼女に、そんな思いまでさせたのか……俺は……」

 他の誰にも聞けるわけはない。アルモが控えめに尋ねた。