幻影都市の亡霊

「ラム、頼むからきちんと説明してくれ。ウェインとは何者だ?」
「……っ」

 これにはコロテスが、憤慨したように、

「知らないとはおっしゃらないで下さい。ウェイン=ストロール、新たな王の器を持つ者です」

 みるみるうちに、ウィンレオの顔色が変わった。その様子を見て、父は本当にその話を知らなかったことに気づいた二人は、気まずそうに顔を見合わせた。

「ウェイン=ストロール……だと? まさか……彼女の……? お前達、きちんと説明しろ」

「わたくし達も詳しいことは存じません。ヨミ様にお尋ね下さいっ」
「ヨミ殿は今、エキストの集落にいらっしゃる。そして、そのウェイン様も一緒に」

 ウィンレオは大きく舌打ちすると、両手を合わせ、ゆっくり開いていった。そこに一対の翼を持った黒い丸いもやが二つ現れる。

「さっさと行けっ!」

 ウィンレオが叫ぶと、それは急かされたようにひゅんっと北に飛んでいった。そして、ウィンレオがどさりとソファに座り込んだ。

「……誰がその話をお前達に洩らしたのか、見当はついている。だがそれは、お前達が盗み聞きしたものだろう……。だが……」

 ウィンレオは困ったように二人を見て、

「伝えてくれて有難う」

 そう言って、二人を安堵させた。