オシリスもまた、

殺すつもりなどなかった。

脅しのつもりで振りかざした剣は、

不運が重なり、

2人を刺してしまったと言う事・・・

自分の愛したミラを産んで育てた両親を、

どうして殺すことが出来よう?

・・・しかも、

その場に、まさか、ミラが、

居合わせていた事も、不運でしかなかった。


「…オシリス、この話はもうよそう。

オレはこの先ずっと、この真実を、

ミラに話すことはない・・・

この命が果てようと、この事は、

オレの心の中に留める・・・

だから、オシリスも、何も言うな・・・

オレにもしものことがあれば、

ミラを、お前に託すから・・・

ミラに殺される前に、ホルス国との戦で、

命尽きるかもしれないがな・・・」


ホルス国は、イスタ帝国と互角。

いや、ひょっとすると、

勝っているかもしれない。

それほど強い国なのだ。