「ミラ」

私を優しく抱きしめ、

母が名前を呼んだ。


「なあに、お母様?」

まだ6つの私は、まだまだ母に甘えたい盛り。



「ミラが大きくなったら、

パパみたいな、素敵な旦那様と結婚してね?」


そう言って満面の笑みを見せた。


私も笑顔で、大きく頷く。


「うん、パパ大好き。

パパみたいなカッコよくて優しい人と結婚する」


まだ6つの私と、母の交わした約束。