「っていうか、ここどこだー?!」
叫んだ田中の声が異常に反響する。
「アメリカ某基地にある核シェルター内だ」
「……は?」
「今回の授業は秘密裏に行なわなければいけないのであーるー」
「…ちょっと待て待て」
田中は額を手で押さえる。
「嘘だろ?亜米利加?」
「…む。知能指数低いくせに無理に漢字読みするな」
「うっせぇな!ビックリしすぎて漢字読みにもなるわ!」
動転しながらまくし立てる田中。
その様子を見て不敵な笑みを浮かべる教師A。
「その様子だと半信半疑。
半分は私の言うことを信じているようだな、フフフ…」
「俺のパスポート見せつけながら言うな!
どこから見つけてきた?」
「勿論、偽造なのであーるー」
「…その喋り方やたら腹立つからやめろ」
ピシッとその額に血管が浮き出る。
「偽造って、おいっ!何勝手なことしてくれちゃってんの?」
「違法入国で捕まりたくなかったら私の授業を大人しく受けるんだな、ボーイ」
微妙にアメリカンナイズドな口調の教師A。
「アメリカ……なわけ無いないナイナイナイ…」
田中は汗をかきつつ、引き攣り笑いしながら首を振り続ける。
…と、そこで。
「――それで秘密裏に話し合わなければいけないこととは何でしょうか?総統」
薄闇の中、突然湧いて出てきた声に、
「ぬぉっ?!!!」
田中は口から胃腸が飛び出るほど驚き、変なポーズをとったまま固まった。
そこにはもう一人の生徒。
山下絵里が居た。

