「好みだぁ?」

教授は顔をしかめて、私をみる
そしてちょっと笑った

「気になるか?」
「は、はぁ?!」

思わず叫んでしまった

「ぶはっ」

すると教授はおかしそうに吹き出した

「……っー…」
「はははっ」

私が教授を睨むと教授はまた笑みを深くした

「好みのタイプだっけ?」
「……もういいです!」
「気にならねぇの?」

いつもと違う口調でからかう教授。

「ずるいです、そういうの!」
「くっ」
「また、からかって!」

私がすねて背を向けた瞬間

「……好きなタイプな……母さんみたいな人」
「え?まざ……」
「ちげえよ、馬鹿」

教授はすぐにツッコミをいれてくる

「お母さんみたいな方?」
「うん」

そう頷いた教授は少し幼い顔をしていた

そこで思いだす。
教授のお母さんって幼い頃に亡くなってるんだっけ