気づかれちゃいけない。
そんな気持ちがあってかゆっくり上がってく
そして二階にあがり
お父さんとお母さんの部屋を覗いた
そこには
ベッドの上で横たわる姉。
シーツが赤く染まっていた
そして
その上に“彼”はいた。
叫びそうになるのをどうにかこらえて
彼の特徴を目に焼き付ける
姉の上に乗っていた彼は凶器と思える血のついたナイフを片手にもって
着ていた黒いスーツをうでまくりをしていた。
そして、肘の黒いほくろ。
私はそれを目に焼き付けると
彼を憎悪の溢れる目で睨み付ける
その瞬間彼は
「愛していたよ………結子」
そう呟いた。

