―3年前―
「杏子ー?部活のあと、遊びにいかない?」
「いくいくー!」
当時、陸上部だった私はあの日部活帰りに
友達と近くにできた喫茶店で話して
遊んでから家に帰った。
「じゃーね!バイバイ」
「またねー」
そんな風に別れて、私は母に電話をかけた。
「お母さん?これから帰るね」
『気を付けてね』
「うん」
そう言って電話を切る。
そして電車にのって家までバスで
大体一時間ちょっと。
この一時間が私の運命を変えたのだ。
バスを降りて家の前まで歩く
そしてドアを開ける
「…ただいまー」
返事が、ない?
「お母さん?お父さん?」
玄関から声をかけても返事はない。
すると2階で物音がした
「お姉ちゃん?いるの?」
少し不安になって、恐る恐る玄関からリビングに向かう。

