「っ?!」

そこで私は目を覚ました。

夢、か。

最近多いな。
原因は彼と出会ったことだろう。

「………はぁ……」

瞳から涙がこぼれてることに気づく。

どうしたら
いつになったら
前を向けるのだろう。

今のままじゃずっと前を向いて歩けるなんて
到底出来そうにない


ピリリリリ


携帯が鳴りディスプレイに山崎千代の文字が浮かぶ。

「はい」
「あ、杏子?話したいことあるんだけど」
「ん?」
「とりあえず、会える?」
「うん、1時間後でいい?」

私は急いで電話を切ると
すぐに支度をして家を出る。