「こら、杏子。早く起きなさい」
「んー…」
「部活でしょ」

あの日の朝だ。
皆が消えてしまう日のいつも通りの朝。

起きてリビングにいくと
お父さんとお姉ちゃんが笑って座ってる

「杏子、来週の日曜日、結子もいれて家族で出かけよう」
「うん」
「杏子、時間は?」
「あ!やばい!」

慌てて支度をする私。

このあと何が起きるかなんて
知らない私たち。
もうこれで、会うこともなくなる私たち。



「いってきまーす!」


「「「いってらっしゃい」」」