「…お兄ちゃん。元気になった?」
「……うん、ありがとう」
彼が笑ったのをみて幼い私も微笑んだ。
「……そういえば、お兄ちゃんの名前は?」
「………ん?俺はね………」
彼がそこまで言って私の周りは明るくなりはじめて、彼の声が聞こえない
だれ?
あなたの、名前は?
だけど、どんどん夢は覚めていき
目を開けると私は教授のソファに寝ていた
「気がついた?」
「……はい」
「ごめんね。君がいることに気づけなくて」
尚治教授はそう言って私の頭をポンポンと叩いた
「………助手、やめる?」
いきなり彼はそう呟いた
「え?」
「君が嫌なら無理にやる必要はないんだ」
私は少し考える
そして、心である決断をした
「やります。すみませんでした」
必ず、吉野尚治について
すべてをつきとめて、彼の大事なものを奪う
その笑顔の裏を見つけだしてやる
「そう。ありがとう」
私は、復讐のため生きているのだから

