「昔ね……家族が殺されて、その現場にいたとき……誰かに気を失わされて気がついたら病院にいたの」
「!」
「それでね…病院で初めて、その人が助けてくれたんだってきづいたの」
俺はただ外を眺める
「……その人の顔は見てないけど…お父さんが吸ってたセブンスターの香りがしたの。それにその後送られてきたピアスもその香りがしたから…だからきっと……」
話疲れたのか、彼女はそのまま眠ってしまった
きっと、次、目が覚めたら覚えてないだろう
だから俺はそっと彼女の額に口づけた
「……杏子………ごめんな…」
きっと、俺は君を傷つける…
これからもずっと…

