それから、しばらくして私は教授室の前に来ていた

「………はぁ」

ドアノブに手をかけて何度目かのため息をつく

「……………帰ろ」

ドアノブから手を離してふと教授室の扉にある名前に目がいく。

“吉野尚治”

その名前に手をふれて目を伏せる
そしてドアから離れようと目を開けた瞬間

私の目の前のドアがあいた。
私の方に向かって…

「ぶっ?!」
「え?!」

そして思いっきりそのドアに頭をぶつけた