「お父さん、お母さん……お姉ちゃん……やっと、見つけたの。……みんなを殺した人を………やっと見つけたんだよ……ねぇ…見つけたの……」

そう。
見つけたんだよ

なのに

嬉しいことなのに…


「………なんでかなぁ……」


きつく握りしめて膝においていた手とスカートに雫が落ちていく

「なんで……泣いてるんだろう……」

誰も答えてくれない問いを投げかけてみる

「……喜ばなきゃ……やっと、復讐できるじゃない……ねぇ、喜ぶことよ…そうだよね?」

濡れる手でお母さん、お父さん、お姉ちゃんの3人の写真に触れる

「そうだよって……杏子は正しいって………頭撫でてよ…そばにいてよ………お願い。答えてっ…写真の中でずっと笑ってないで、話してよっ!」

どうしようもない気持ちを叫ぶ。


わかってる。
こんなことしたって、誰も答えてくれない事なんて

だって私は独りだから

ずっとずっと、独りだった。
今までも、きっと、これからも…