ねぇ、神様。

これは、運命ですか?
それとも
奇跡ですか?


「えー、この度から古文の教授を勤めさせていただきます、吉野尚治です」
「うわ、若いね」

よしの、なおはる

千代が隣ではしゃいでいる。
私はただ彼を呆然と見つめていた

「授業は明日からだがもう教授室にはいるから、質問はこの吉野先生に頼むことな。あと、生徒の一人から助手を選びます」

そんな説明がされて、授業は終わり
私は急いで彼を追いかける

すぐに後ろ姿が見えた

「……あ、あの!」

彼がゆっくり振り向く

「……はい?」
「あの、今朝は、ありがとうございました……それで…聞きたいことが…」

彼は優しく微笑んだ

「教授室で聞きましょう」

私は彼の後ろをスーツで覆われた右肘を見つめながら追いかけた