「……杏子、お願い。昔を思い出しちゃダメ!」 千代の声で我にかえる。 「うん、わかってる」 私は笑顔をつくり授業に意識を戻した あの声と、今朝の人の声、なんとなく似ている。 あのときの違和感はこれだったんだ… 「えー…明日から、国語の古文の教授が変わることになりました」 そんな声が教室中に響いた。 みんながざわつき始める 私が思考を止めて教壇を見ると そこには… 「うそ………」 今朝の“彼”がいた。