Seasons

それから、宿題とか、通知表とか、週末ある祭りの話なんかを、一時間くらいかけて話した後店を出た。

店の中は程よく暖房がきいていたのに、一歩外に出ると蒸し暑い夏の風が待ち受けていた。

みんな鞄から通知表を出して扇いでいる。

「ねー、亜妃たちカラオケ行く?」

私たちより少し離れた場所にいたクラスの子たちの間では、話が進んでたらしい。

「行く行く!」

沙也は嬉しそうに答えてから私と侑子から離れて、カラオケに行くグループの方に歩いて行った。

私は侑子に目で尋ねる。

「帰ろっか、亜妃」

「うん」

もうすでに、店とか頼むものとかを決めにかかっている賑やかな集団に向かって、

「ごめんっ。今日は帰るね!」

と大きな声で叫んだ。