Seasons

――二年前の傷。

中学二年生のときの自殺未遂の痕だ。


無視って怖い。
噂も怖い。


いじめというには小さくて、トイレに入ってたら水が落ちてきたとか、そんなんじゃなかった。

でも、世界を嫌いにさせるには十分で、生きてることが馬鹿らしくなった。


その時の傷……大丈夫、いまは私、うまくやってる。



ぼーっとしている私に気づいたのか、侑子がほっぺたにジュースをあててきた。
ひんやりとした紙コップの感触が気持ちいい。

「冷たぁい!」

「ぼーっとしてるからよ」

周りの話はもう私の彼氏の話からは随分遠ざかっていて、今はもう内容のない世間話になっていた。

こっそり、息を吐く。