Seasons

まだ日が高いせいもあるのか、七月の終わりにしては暑い。

例年より、厳しい夏になるのだとニュースで言っているのを今朝聞いた。


「あ、ねぇ。東京のお土産何がいい?家族旅行の」

「行くの?いいなぁ…何でもいいよ」

「じゃあ、適当に選んでくるね」

ありがとう、と言いかけたところで侑子の携帯が鳴る。


仲がいいんだなぁ…年上だっけ。

「あ、電子」

聞き慣れたオルゴールのような音がして、私は立ち上がった。

「じゃ、帰るね」

「ん。何かするときは亜妃も誘うね。メールするから」

軽く携帯を振って、侑子が笑った。

「うん、東京楽しんできてね!」

私もにこっと微笑んで手を振った。