先生の説明の中には、難しい医学用語が並べられ、全く病気と無縁だった祐輝には、理解しにくいものだった。


「先生…瑞希の意識戻りますよね」


「朝方まで意識はっきりしていたということなので、多分戻ると思います…」


「良くなるんですよね!」


「それはまだ、検査の結果を見てみないとなんとも…柴崎さん、失礼な事お聞きしますが、婚約者ということであれば、彼女とは…」


「いいえ…まだ」


「そうでしたか。ちょっとホッとしました。彼女の体調からみて、抵抗力が落ちているので、感染症などがちょっと心配だったものですから」


「先生、彼女は元気になったら、結婚して普通に生活はできますか?子供を生んだり、皆がごく当たり前にしている生活をすること…彼女にもできますか?」