瑞希は自宅に帰り、服を着替えて、一応泊まる準備をして祐輝の部屋に入っていた。


この社宅の周りの住人は、単身や地方からの独身男性が多く、皆帰りは遅かった。


また、課が違うものばかりで、祐輝と晴香をそれほど知っている人もいない。


今日から祐輝は独身。


堂々と会いに来ても、誰かに何かを言われる筋合いもない。


祐輝のいない部屋で、食事の支度をしながら、瑞希は帰りを待った。


9時すぎに瑞希の携帯が鳴った。


祐輝の洗濯をたたんでいる最中。


「瑞希~ごめん…すっかり待たせてしまったね。あと5分で着くから~」


「はい~気をつけて~」


瑞希は祐輝の仕事が大変なのを理解している。


残業で夜中になることもあるのだって知っていた。