会場の外のロビーのような場所に出た。


空いてる席に晴香を座らせると、憲吾が静かに話し始めた。


「世利、祐輝さんはね、小さな頃の世利をよく知ってるんだ。きっと懐かしくて…泣いていたんだね…世利、パパとママにとって、祐輝さんは大切な友人なんだ。これから先、協力できることはしてあげたい、そう思っているんだ」


「パパ、あの子達って、亡くなった奥さんの子供なんだよね。ママをこんなに早く亡くして、可哀想…」


世利が泣いていた。


世利は知らないが、世利にとって、母親違いの兄妹になる二人。


祐輝はこの先、どうやって二人の子供達を育てていくのだろう…


世利を見て、安心してくれただろうか?


あの日自分に晴香と世利を頼むと言い残し、自分と連絡は取っても、決して晴香と世利とは連絡を取らなかった祐輝…


家族を持って、幸せになったと連絡が入ってから、6年目の訃報だった。