結婚していると知っていたので、憧れだけで終わってしまう恋だったはずなのに、思いもよらない祐輝との出会いが、瑞希の気持ちを恋愛という形に変えていた。


祐輝の気持ち一つで、恋愛に発展しないかもしれない…


でも、それでもいいと瑞希は思っていた。


祐輝の傍に今こうやっていられる、この時を大切にしたい。


今幸せだったら…


病気がちで、将来の夢なんて考えることのできなかった瑞希にとって、元気で好きな人を想う…


この気持ちが一番の幸せだった。


「瑞希どうした?」


「ん?あっ~幸せだな~って思ってたの」


「幸せ?」


「大切な人を想いながら、こんなふうに食事ができること…」


「ありがとう…俺こそ、瑞希に出会えて、今までの辛かった気持ちが、吹っ切れたよ。瑞希の笑顔に癒された~」