「瑞希ちゃんの、おばあちゃんは？」


「昨年亡くなりました。だから、私には、身内と言える人がいないんです。今、柴崎さんとこうやって一緒にいると、心があたたかくなります。何だかホッとできて……」


瑞希の生い立ちは、とても大変な人生だったようだ。


生きるということには、人並以上に苦労も考えもしただろう。


自分にできることがあったらしてあげたい…


今の祐輝には、まだ愛情なのか、同情なのか、よくわからない気持ちだったが、瑞希という女性をもっと知ってみたい…


そんな気持ちでいた。

「瑞希ちゃん、今病院には通ってないの？」


「通院はしてます。でも薬だけで、落ち着いてて、お医者様もこの状態なら普通に生活していても大丈夫って…食べ物は少し制限がありますけど…」