「でも…祐輝は私に色々気づかいをしすぎて、体の丈夫な人と同じ気持ちにはなれないみたいだし…」

「ん?瑞希の言ってることが、よくわからないんだけど…同じ気持ちになれないって?」

「…例えば…今日みたいな日には、引越しして、二人で片付けたり…みたいなこと…ができないってこととか…」

何となくぎこちない瑞希の話し方に違和感はあったが、一緒に何かをしたいと思うことができない不安や寂しさから出た言葉だと祐輝は理解した。

「とにかく、体休めて元気になって早く家に戻ろうな~それで…瑞希、何か悩み事とかあるかい?瑞希の体調の変化には、心に何かがあるといけないらしいって聞いたから…」

悩み事…

心に引っかかってること…

言おうか迷ったが、言えなかった。

「そうね…新しい土地に来て、慣れるまでに時間がかかること…お母さんと上手くやっていきたいな…ってこと。祐輝とずっと幸せでいたいな…って感じかな~」

「そっか~無理しなくていいからね。俺の仕事も前より楽になるし、瑞希と一緒にいられるように時間つくるからね」

「…うん…ありがとう」