手続きをして部屋に入ると、瑞希は目を開けて、祐輝に悲しそうな顔をしながら、微笑んでいる。

「大丈夫かい瑞希?ごめんな…疲れさせちゃったな」

「私こそごめんなさい。お母さんにわかってしまうわね…怒るかなお母さん」

祐輝にも少し不安はあった。

晴香と離婚前の母の無神経な言葉を思い出す。

息子の自分が可愛いのはわかるが、今思うとあまりにもきつすぎる母の言葉で、晴香を傷つけてしまったのは確かだった。

今母に瑞希の病がわかってしまえば、体の弱いことをわかっていて、祐輝と結婚した瑞希を責めるに違いないのである。

祐輝の不安は、瑞希にもわかっていた。

「大丈夫だよ…心配しないで少し入院になるけど、体休めたらまた元気になるんだから~」

「祐輝…私やっぱり間違えていたかな。こんな体で祐輝と結婚なんてしちゃいけなかったのかもしれない…」

「瑞希!怒るよ!俺が瑞希と一緒にいたくて結婚したんだよ。親が反対したって周りが反対したって関係ないじゃないか」