晴香は迷っていた。


憲吾に言っても、憲吾の愛情が変わらない自信はある。


でも晴香には、憲吾の子供を生むことができなかった負い目もあった。


世利がわかってしまったと知ったら、祐輝にも遠慮が出るのはわかる。


世利が言うように、黙っているほうがいいのかもしれないと思っていた。


「ママ、のぼせちゃうね~洗おうか~」


「う…うんそうね」


それからは何も話さずに、体を洗う。


無言のまま、洗い終わると、再び湯船に入った。


「世利、ママ、祐輝に何してあげるといいかな?」


「ママとパパが助けてあげられることしてあげたら?世利も協力するよ」


「そうね…助けてあげるっていったら、子供達のことよね…」


「世利にとっては、弟妹になるんでしょう。それなら、ママが助けてあげて。世利も可愛がるから…」


「う…うん…」