晴香は言わない方がいいか迷っていたが、憲吾に嘘をつきたくなくて、話し出した。


「憲吾…あたしね、本当はちょっと悩んでいたことがあったの…もしかしたら、それがストレスになって、赤ちゃん…」


「何?」


「憲吾あたしに嘘ついてることあるでしょう」


「嘘?俺晴香に何か嘘ついてる?」


「憲吾の優しい嘘だっていうのはわかってるの…祐輝の奥さんて、体弱くて子供生めないかもしれないんでしょう…憲吾が前に祐輝と電話で話してるの聞いて、ママに知ってるふりして聞いたら、話してくれたの…」


「そっかぁ…晴香知ってたんだね。俺心配かけたらって、かえって隠して不安にさせてたんだ…ごめんな」


「憲吾…知ってること全部話して…あたしの知ってる祐輝とは今は違うの?祐輝は幸せじゃないの?」


「わかった…」