憲吾は医師に呼ばれた。


「処置は済みました。筒井さん、少し興奮気味だったので、今薬で眠らせてあります。ご主人はこれから帰られますか?」


「ついています」


「そうですか。多分、1時間ほどで目が覚めると思います。ついていてあげた方がいいですね。個室あいてますから、そちらに今移しますね」


「よろしくお願いします」


晴香の寝顔を見ながら優しく髪をなでていた。


きっと眠れてなかったのだろう…


ごめんね…


そう謝る晴香の気持ちを思うと、可哀想だった。


子供が欲しかった晴香にとって、待望の赤ちゃんだったのに、自分のせいで、育たなかったと謝ったのだろう…


大好きな大切な晴香に、こんなに可哀想な思いをさせてしまったのは自分の方で、謝らなくてはいけない。